Webデザイナーが使うWebデザインのネタ帳 Key Person Q

ウェブ論『全ての要素を蓄えた全てに中途半端なWeb』

03.06.11 AM 12:00

企業のサイトをみても、個人のサイトをみても、団体のサイトみても常々思っていたことがある。なぜ、他の媒体を模倣しようとするのか。雑誌、テレビ、映画、ゲーム…。各々の媒体には特有の良さがある。各々の媒体が各々の媒体の持っていない良さを持っているからこそ、その媒体は確固たるアイデンティティなるものが確立されている。一方、Webはどうなのだろうか。

雑誌のように情報発信ができ、しかも企業レベルではなく一個人レベルで情報発信ができる。テレビやラジオのように番組を構成して音声や動画によって配信できる。簡単な個展のように自作のものを発信できる。映画やムービークリップを配信することもできる。ショップのように買ったり売ったりすることだってできる。ゲームもできるし、サイトの操作はゲームの操作そのものだ。このように別の媒体の言葉を借りて説明することができる。そしてサイトの構成やクオリティの話をするときもそういう点に絞られることが多い。

しかし。しかしだ。映画のような高い映像のクオリティをWebで創り出すこともできないし、ゲームのような高性能なインタラクティブ性を作り出せない。特化している媒体はどの媒体にも負けない文化とクオリティがあるからこそ差別されているわけであり、それを越えようとするのはどこか違うのではないだろうか。いろいろなサイトをみても別の媒体の何かに追いつこうとしている感じがしてならない。

オレがパーソナルでWebサイトをやりはじめたのも結局【怒】からくるものだった。ある業界紙のあまりにも不甲斐ない記事のクオリティの低さと情報の遅さが怒りの理由だった。情報も速く、記事のクオリティを上げてヒット数もうなぎ登りでちょっとしたサイトになり、確実に業界紙よりも良いものを提供しているのに全国区雑誌の発行部数には到底追いつかなかった。(マーケティングや広報の問題もあるだろうが…。)誰もが知っている有名な某テキスト系サイトですら週刊少年チャンピオン並みでしかない。

WebはWebとしてのスタンスを確立する時期なのではないだろうか。どこかのマネごとではなく。Webだからこそ、Webでしかできない何かを。Webクリエイターがよく陥る【器用貧乏】だが、Webそのものが【器用貧乏】になっているのではないだろうか。確固たるWebのスタンスを見つけていきたい。Webに関わる端くれとして。

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